USB規格とは?
USBはパソコンを使う方にとっては、切ってもきれない関係になっているかと思います。ただ、そんな身近なUSB、実はものすごい種類があることも、すでに知られているところで、深く突っ込むと大変なことになりそうだから、あまり良くはわからないけど、便利な企画だよねレベルで理解している方も多々いるかと思います。
今回は私も勉強中ですが、忘備録として、USB規格をまとめてみることと、手元にUSBケーブルチェッカーなるものがあるので、実際にどの様なケーブルが存在しているのか見てみようと思います。
USBの歴史
USB(Universal Serial Bus)は、さまざまな機器を簡単に接続するための規格として1996年に登場しました。初期のバージョンから最新のものまで、年々進化を遂げています。ここでは、代表的なUSB規格の歴史と最新規格を簡単に振り返り、それぞれの特徴を説明します。
昔はホットプラグ(PCの電源を入れたままでデバイスの認識ができること)が一般的ではなかった中、USBが登場し、画期的なシステムだったと記憶しています。もちろん当時、私は10歳頃でしたので、父親が一生懸命にその凄さを解説していた気がします。
USB 1.0 / 1.1(1996年~)
最初のUSB規格であるUSB 1.0は、最大12Mbpsのデータ転送速度を提供しました。これにより、キーボードやマウスなどの周辺機器をPCに簡単に接続できるようになりました。しかし、データ転送速度が遅く、外部ストレージや高速なデバイスには向いていませんでした。
USB 2.0(2000年~)
次に登場したUSB 2.0は、最大480Mbpsの高速転送が可能となり、外付けハードドライブやフラッシュメモリなど、より多くのデバイスで利用されるようになりました。この規格は現在でも広く使用されており、多くのデバイスに互換性があります。
USB 3.0 / 3.1 / 3.2(2010年~)
USB 3.0はさらに進化し、最大5Gbpsのデータ転送速度を実現。USB 3.1では10Gbps、USB 3.2では20Gbpsと、規格ごとに速度が向上しています。これにより、4Kビデオや大容量のデータを高速で転送できるようになりました。また、青色のコネクタが特徴で、2.0との物理的な互換性も保たれています。
USB 4(2019年~)
最新のUSB 4は、最大40Gbpsの超高速データ転送を実現し、さらにThunderbolt 3との互換性を持つようになりました。これにより、データ転送、映像出力、電力供給がすべて1本のケーブルで完結するようになり、ノートPCやモバイルデバイスの利便性が大幅に向上しました。
USB規格の違い
USB規格が進化するごとに、データ転送速度や機能が向上しており、用途に応じてどの規格を選ぶべきかが重要になっています。特に、外付けストレージや映像出力など高帯域幅を必要とするデバイスを使用する際には、USB 3.0以上の規格を選ぶことをおすすめします。
規格名 | 別名 | 転送速度 | 最大転送速度 | 主な用途 | コネクタの形状 |
---|---|---|---|---|---|
Thunderbolt 4 | USB4互換 | 40Gbps | 約2m | 高解像度ディスプレイ、複数の周辺機器接続 | USB Type-C |
Thunderbolt 3 | USB4 Gen 3×2と互換性あり | 40Gbps | 約0.5m(アクティブケーブルで最大2m) | 外部GPU、4K/8Kディスプレイ接続、複数の周辺機器 | USB Type-C |
USB4 Gen 3×2 | Thunderbolt 3と互換性あり | 40Gbps | 約0.8m(アクティブケーブルで最大2m) | 高解像度ディスプレイ、複数の周辺機器接続 | USB Type-C |
USB4 Gen 2×2 | – | 20Gbps | 約1m | 高速データバックアップ、プロ向け作業 | USB Type-C |
USB 3.2 Gen2x2 | – | 20Gbps | 約1m | 高速データバックアップ、プロ向け作業 | USB Type-C |
USB 3.1 Gen2 | USB 3.2 Gen2 | 10Gbps | 約1m | 高解像度映像転送、VR、ゲーム機 | USB Type-A / USB Type-C |
USB 3.0 | USB 3.1 Gen1 / USB 3.2 Gen1 | 5Gbps | 約3m | 外部SSD、大容量データ転送 | USB Type-A / USB Type-C |
USB 2.0 | – | 480Mbps | 約5m | フラッシュメモリ、外部HDD、周辺機器 | USB Type-A / USB Type-C |
USB 1.1 | – | 12Mbps | 約5m | キーボード、マウスなどの低速デバイス | USB Type-A / USB Type-C |
表を見てもらえればわかると思いますが、規格ありすぎですよね。
しかも、USB 3.0、USB 3.1 Gen1、USB 3.2 Gen1は、表記が違うだけで中身は全て同じですので、製品を比較検討する時は注意が必要です。実際の商品説明の対応形式では、表記が省略されているものもあるので、転送速度やコネクタ形状で推測するしかありません。
また、ケーブルとしてみた場合、単に早い規格、最新の規格のものが良いというわけではないです。というのも、転送速度が早ければ早いほど、ケーブルは太く、ゴツくなっていくので、携帯性や柔軟性を求める時には、想定される使用用途に合わせて、選ぶことが大事だったりします。
目的がデータ転送用であれば、使うデバイスが対応している規格のケーブルを、充電用であれば、使用するデバイスのワット数に合ったケーブルを選ぶと良いと思います。
USBケーブルチェッカーを使って実際に確認してみよう
USBは本当に色々なところで使われておりますが、ケーブルも知らないうちにどんどん増殖しているのではないでしょうか?
- ヘッドホンを買った時についてきたケーブル
- 外付けSSDを買った時についてきたケーブル
この機器にはこのケーブル。こっちの機器にはこのケーブル。
捨てるに捨てられず、引き出し開けたらUSBケーブルだらけなんて方もいるんじゃないでしょうか?
そりゃそうですよね。上記の様にUSB規格がたくさんあれば、ケーブルが多くなるのも頷けます。
ただ、USBのいいところはコネクタ形状が一緒であれば、下位互換があるので、USB4のケーブルを持っていれば、USB3.0にも対応しているので、ケーブルがどういう性能を持っていれば、すっきり整理できると思いませんか?
そこで、「USBケーブルチェッカー」です。USBケーブルチェッカーはどういう規格、性能を持っているのか調べる機器ですので、手持ちのケーブルを整理することができます。
私の使用しているUSBケーブルチェッカー
私が愛用しているのが「USBケーブルチェッカー」です。これは、手持ちのUSBケーブルがどの規格に対応しているかを一瞬で確認できる便利なツールです。使用方法も非常に簡単で、ケーブルをチェッカーに挿すだけで、対応しているUSBのバージョンや転送速度を表示してくれます。
USBチェッカーにはさまざまな種類がありますが、私が使用しているのは以下のモデルです。
- ADUSBCIM USB CABLE CHECKER 2(BitTradeOne)
- 対応規格: Mini-B から Type-C / USB 2.0 から 3.2まで
- 特徴: ケーブル抵抗や e-marker など各種情報を OLED 画面に表示
- 価格: 約6,000円
無骨なデザインがいかにも玄人向け感がプンプンします。
液晶情報
ケーブルの抵抗を示しています。低ければ低いほどロスが少なく、良好なケーブルになります。左では107mΩです。
LED情報
- GND:電源線(グランド電源)への通電
- VBUS:バスパワーの通電
- D-/D+:USB2.0対応
- TX1, RX1:5Gbps対応、3.0/3.1Gen1/3.2Gen1対応
- TX2, RX2:10Gbps対応、3.1Gen2/3.2Gen2対応
- SBU1/2:音声や映像対応
- CC:USB PD対応
難しいという方は、とりあえず全部光っていたら、高性能ってことです。私も良くはわかっていません。笑
CIO シリコンケーブル C-C 0.5m
私が充電ケーブルとして愛用しているCIOのシリコンケーブルです。
抵抗値が153mΩ
光っているのが、USB2.0とPDのみ
製品ページでは100W対応、データ転送速度は480Mbpsと書いてあったので、スペック通りですね。
CIO シリコンケーブル C-C 1m
今度は長さが倍、1mケーブルです。
抵抗値が188mΩ
LED情報は上記と一緒です。
上記とスペックは同等。長さの分、抵抗値が多くなっていことが予想されます。
CIO シリコンケーブル ディスプレイ搭載 C-C 1m
今度は長さが1mの上に、充電速度を確認できるディスプレイ搭載したケーブルです。
抵抗値は182mΩ
LED情報も一緒。
ディスプレイを搭載することによる抵抗はあまりなさそうでした。
よくわらないケーブル C-A 0.5m
出ました、よくわからないケーブル!何かの機器に付属していたケーブルの感じはあります。
抵抗値は220mΩ
LEDはTX1、RX1が光っていますので、転送速度5Gbpsに対応、3.0/3.1Gen1/3.2Gen1ケーブルと思われます。
Newzerol 6in1 多機能充電コード
これ1本で、USB-C、USB-A、microUSB、Lightningケーブルになってしまうという便利グッズです。
まずはUSB-AとUSB-Cのケーブルとして
抵抗値は130mΩ
LED情報をみるとUSB2.0に対応した充電ケーブルとして使えそうです。
さらにコネクタを変えて、USB-CとUSB-Cにしてみます。
抵抗値は98mΩ
LEDは2.0の他にPDも光っているので、この形状であれば、高速充電もできそうです。
それよりもケーブルが短すぎて、コネクタが曲がっているのが怖かったです。
よくわからないケーブル パート2 C-C 0.2m
よくわかないケーブル、また出てきました。ケーブルに書いてある刻印を検索してみると、ゲームパーツの製品がヒット。こんなの買ったことあったかなあ。
抵抗値は125mΩ
LEDはUSB2.0、PD、TX2/RX2が光っているので、急速充電が可能な3.1Gen2/3.2Gen2ケーブルと推察できます。
Xiwai USB4ケーブル C-C 0.3m
短いケーブルが欲しくて、どうせなら一番早いやつにしてみるかと思ってAmazonでポチったケーブルです。聞いたことないメーカのケーブルでしたが、どうでしょうか。
抵抗値は107mΩ!LEDも全部光っています!
短いということもあって、抵抗値もかなり低く、しかも、SBU1/2、TX2、RX2も光ってますので、転送速度10Gbpsに対応、映像も音声も転送できます。USB4って謳っているので当たり前と言えば当たり前ですが。
USB4の転送速度40Gbpsに対応しているかは、このチェッカーではわからないところです。
よくわからないケーブル パート3 C-A 0.3m
またです。これもよくわからないですが、UGREENと書いてあるので、UGREENの周辺機器を購入した時についてきたものと思われます。
抵抗値は150mΩ
LEDはTX1、RX1が光っていますので、転送速度5Gbpsに対応、3.0/3.1Gen1/3.2Gen1ケーブルなんでしょうね。
CIO シリコンケーブル240W C-C 1m
最後に原点回帰、CIOの240W対応のシリコンケーブルです。商品ページによると、映像出力も可能とのことです。
抵抗値は211mΩ
LEDも全て光っています。
スペック通りと言っていいでしょう。USB4.0Gen2と書いてあるので、転送速度も20Gbpsで間違いないでしょうね。
まとめ
いかがだったでしょうか。
なかなかにUSBケーブルチェッカー、いい仕事してくれます。これががあれば、たくさんのケーブルの中から、必要なケーブルだけを取捨選択できそうですね。
まあ、意外と値段が張るので、誰かが持っていたら、貸してもらうのがちょうど良いのかもしれませんが、持っていたら、それはそれで絶対に役に立つと思います。
にしても、USB4のケーブルは、他と比べるとかなり太いです。もっと細くなってくれたらいいんですけどね。
みなさんのUSBの知識が少しでも整理ができてくれたなら、これ幸いです。
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